焼酎用語

焼酎用語について、ご紹介いたします。

お酒の分類

お酒は酒税法で、「醸造酒」 「蒸留酒」 「混成酒」の3つに分類されています。

醸造酒

穀物や果実を原料に、これを発酵させてつくるお酒。
(例:日本酒、ビール、ワイン)

蒸留酒

穀物や果実を原料に、これを発酵、蒸留してつくるお酒。
(例:焼酎、泡盛、白酒、ウイスキー、ウオッカ、ブランデー、ラム、テキーラ)

混成酒

既成のお酒(醸造酒、蒸留酒)に、果実や糖分、香料、薬料などを加えてつくられるお酒。
(例:リキュール、梅酒、みりん)

焼酎

焼酎は、「蒸留酒」に属しており、製造(蒸留)方法によって、大きく2つに分けられます。

単式蒸留しょうちゅう (本格焼酎 / 旧乙類)

  • 単式蒸留機を使い、アルコール度数45度以下に仕上げたもの。
  • 昔ながらの製法でつくられており、原材料の香味が楽しめます。
  • 沖縄県 特産のものは「泡盛」といいます。

連続式蒸留しょうちゅう (旧甲類)

  • 連続式蒸留機を使った、アルコール度数36度未満のもの。
  • 無味無臭なお酒ため、チューハイや、カクテル、果実酒のベースに利用されます。(ホワイトリカーとも呼ばれます)

※2006年5月1日の酒税法改正前までは「甲類」「乙類」という名称でしたが、乙類が甲類に対して劣るという誤解を避けるため単式蒸留焼酎は、「本格焼酎」と呼ばれます。

原料

焼酎の原料には、主に「さつまいも」「黒糖」「麦」「米」「そば」などがあります。
デンプンが含まれる原料であれば、焼酎をつくることができます。

芋焼酎では、「黄金千貫」(こがねせんがん)という品種のさつまいもを、原材料に使うのが一般的です。

また、原料は、ラベル(表か裏)に、多い順に表示されています。

例) かめ壺焼酎「明るい農村」の場合→  さつまいも・米麹

麹(こうじ)

米や麦などのデンプン質の原料を蒸し、麹菌(こうじきん)を増殖させたもの。
麹菌のうみだす酵素によって、デンプンが糖分へと分解される。また、レモンや梅が多く含む「クエン酸」を黒麹、白麹はつくり出すため、高温多湿の南国での焼酎造りが、腐敗せず安全につくられるのは、麹のおかげ。

麹には、「黄麹」「黒麹」「白麹」の3つの種類がある。

黄麹

日本で、古来から酒造りに使われてきた麹。

クエン酸をほとんどつくらないため、南国鹿児島での焼酎造りには、使用が難しい麹。やわらかで華やかな香りの焼酎になる。

黒麹

古くから沖縄の泡盛づくりに使われてきた麹に由来する。強いクエン酸をつくるため、もろみが腐敗しないと尊重され、明治時代に南九州にも伝わり、焼酎造りに使われるようになった。

焼酎は、コクと深味が出やすく、ロックで飲んでも味わいがある。

白麹

黒麹菌の突然変異で誕生した、見た目が白い麹菌。

焼酎にすると、原材料の風味を引き立て、すっきりした淡麗な風味の焼酎に仕上がる。
蔵人にとっては、黒麹ほど胞子が飛ばないため、道具類が汚れず、重宝する。

酵母(こうぼ)

糖分(ブドウ糖)からアルコールをつくる、微生物。原料由来のアミノ酸や脂肪酸からは香味成分をつくる。酵母の生命活動の中でアルコールがつくられ、同時に炭酸ガスも排出される。

鹿児島県2号酵母、鹿児島県5号酵母などがある。

原酒

蒸留後に水や添加物を一切加えないもの。一般的に芋焼酎だと、アルコール度数は36~39%以上。米焼酎、麦焼酎だと、40~44度ほどになる。
通常、販売されている焼酎は、水を加え25%に調整されている。原酒は蒸留した焼酎そのものの味わいを楽しめる。せっかく加水していないので、ぜひストレート、ロックで楽しんで。

古酒

蒸留した焼酎を、3年以上貯蔵し、熟成させたもの。長期貯蔵酒とも呼ぶ。熟成香(じゅくせいこう)という独特の香りと、角がとれ、まるみのある味わいが楽しめる。

新焼酎

その年にとれたさつまいもで仕込み、数か月の熟成後に発売されるもの。できたての焼酎は炭酸ガスを多く含むため、新鮮で、荒々しい風味が楽しめる。

焼酎づくりは8月~9月頃から始まるため、11月頃にちょうど新焼酎が出てくる。

本格焼酎の日

昭和62年に日本酒造組合中央会が、11月1日を「本格焼酎の日」に制定。
毎年8月~9月頃仕込みが始まり、その年の「本格焼酎ヌーボー」すなわち縁起のよい新酒が飲めるようになるのが11月1日頃だということから、決まった。

フーゼル

焼酎に含まれるうまみ成分、高級脂肪酸エチル。普段は焼酎の中に溶け込んでいるが、寒くなると白くなって見えることがある。うまみ成分なので、常温でよく振って溶け込ませて、お召し上がりください。新焼酎や無ろか、荒ろか焼酎では、出やすいものです。

濾過(ろか)

不純物や余計な油分をとりのぞくために、フィルターを使ってろ過をかけること。
目の細かいフィルター、目の荒いフィルターがある。
目の荒いフィルター(「荒濾過」という。)では、油分(旨み成分)が多く残るため、寒い時期は、瓶の中に白く旨み成分がにごって見える。

無濾過(むろか)

冬場(15度を下回った日など)、自然と浮き上がってきた油分を、蔵人が手作業ですくい取ったもの。

常圧蒸留

伝統的な、蒸留方法。通常の気圧で、蒸留するため、焼酎もろみに含まれる、原料由来の様々な風味が抽出され、個性ある豊かな味わいの焼酎になる。本格芋焼酎は、ほとんどが常圧蒸留。

減圧蒸留

蒸留器内の気圧を下げて、蒸留する方法。
高い山の上でお湯を沸かすと、早く沸くように、沸点が低くなるため、軽い成分のみが蒸留される。クセのない飲みやすい焼酎になる。米焼酎、麦焼酎、黒糖焼酎に多い。