澄んだ空と、涼しい風に、ようやく秋の訪れを感じはじめた祁答院。
でも、涼しくなった外とは対照的に、蔵の中では、蔵人が汗をびっしょりかきながら、焼酎づくりをしています。
まず、造っているのは、「手造り青潮」。
祁答院蒸溜所の手づくり麹 青潮の「手造り」は、杉張りの部屋で、蔵人が手や五感を使って麹を育む製法です。
麹をつけた米(米麹)は、発酵につれ温度が上がるのですが、温度が上がりすぎても、下がりすぎても
よくありません。
モロブタ一枚一枚に入れた、米麹の温度を、触りながら確認します。
主役のさつまいもも、ほぼ毎日入荷。
ゴロゴロとした、おいしそうな黄金千貫です。
(当蔵では、川の水を汚さないよう、あらかじめ両端カット等の、処理されたさつまいもを仕入れています。)
この黄金千貫をふかし(蒸し)、先ほどの工程でできた手造り米麹とあわせ、かめ壷でさらに発酵させます。
このドロっとした状態をモロミと言います。
さつまいもの柔らかな黄色がきれいです。
プクプクッと、モロミが元気良く発酵し、果物のような甘い香りがします。
手で仰いで香りをかぐのは、、アルコールが出る時に、炭酸ガスも出て、そこに溜まっているから。
かめ壷に首を突っ込んで、直接香りをかぐと、意識が飛んでしまうので、あぶないのです。
微生物の力を上手に使いながら、うまい、やすらぐ、そんな焼酎を造っていきたいと思います。